
言葉には、その人の全てが詰まっている
恋愛占いをしていると、本当にいろんな人と出会います。年齢も、職業も、恋愛の悩みも、みんなバラバラ。でも、一つだけ共通しているのは、みんな真剣に自分の恋愛と向き合っているということ。
占いって、カードを引いたり、星を読んだりするのが仕事のように見えるかもしれません。でも実際は、その人が何気なく口にする言葉の中に、全ての答えが隠れているような気がするんです。
今日は、これまで占いをしてきた中で、特に印象に残っている言葉をいくつか紹介させてください。個人が特定されないよう、状況はかなりぼかしますが、言葉の持つ力は変わらないと思います。
「幸せになる許可が、自分で出せないんです」
これは、ある方がセッションの最後の方でぽつりと言った言葉でした。
最初は普通に恋愛の相談だったんです。好きな人がいて、相手も自分に好意を持っているのはわかっている。でも、なぜか関係を進める勇気が出ない、と。
カードを引いて、色々お話ししていく中で、その方の過去の恋愛が見えてきました。詳しくは書けませんが、かなり傷ついた経験があったようで。
で、セッションが終わりに近づいた頃、その方が言ったんです。「幸せになる許可が、自分で出せないんです」って。
この言葉、今でも忘れられません。自分で自分に許可を出す。そういう概念があるって、私もその時初めて深く実感しました。
幸せになっていいんだって、頭ではわかっている。でも、心のどこかで「私なんかが幸せになっていいのかな」って思ってしまう。過去の傷が、未来の幸せにブレーキをかけている。
占いの結果がどうこうじゃなくて、この方が自分の気持ちに気づけたこと自体が、すごく意味があったんじゃないかなって思います。
「彼を好きなんじゃなくて、好きだった頃の自分が好きなのかも」
これも、すごく印象的でした。
セッションの途中、恋人との関係について占っている時のことです。相手のことを話している時の表情が、なんだか曇っていて。でも、「好きです」って言い切るんです。
色々聞いていくうちに、その方がふと言ったのがこの言葉でした。「もしかして、彼を好きなんじゃなくて、好きだった頃の自分が好きなのかもしれない」。
これ、すごく深いなって思いました。恋愛の始まりって、キラキラしてるじゃないですか。ドキドキして、相手のことばかり考えて、生活に張りが出て。そういう「恋している自分」って、確かに魅力的なんですよね。
でも、時間が経つにつれて、関係に慣れが出てきて、トキメキも減っていく。そうなった時、今の相手を愛しているのか、それとも「恋していた頃の感覚」を手放したくないだけなのか。その区別がつかなくなることって、あるのかもしれません。
この方が自分でそこに気づいたこと、それがすごく大きな一歩だったと思います。私は占い師として、ただその気づきに立ち会えただけ。
「運命の人って、見つけるものじゃなくて、育てるものですよね」
これは、結婚が決まった方が最後に言った言葉です。
その方は何度か占いに来てくれていて、今のパートナーとの関係について何度か相談を受けていました。最初の頃は、「この人が運命の人なのかわからない」って悩んでいたんです。
でも、回を重ねるごとに、二人の関係が深まっていくのが伝わってきて。最後のセッションで、結婚の報告を聞いた時、私も本当に嬉しくて。
で、私が「運命の人に出会えてよかったですね」って言ったら、その方が笑いながらこう言ったんです。「運命の人って、見つけるものじゃなくて、育てるものですよね」。
この言葉、本当に素敵だなって思いました。多くの人が「運命の人」を探し続けているけれど、もしかしたら運命の人って、二人で一緒に作り上げていくものなのかもしれない。
完璧な相手を見つけるんじゃなくて、今目の前にいる人と、どう関係を育てていくか。その積み重ねが、「運命」になっていくのかもしれないですね。
「彼のことは好きだけど、彼と一緒にいる自分は好きじゃない」
これは、かなり複雑な状況にあった方の言葉です。
セッションの中で、相手のことをすごく愛しているのが伝わってくるんです。でも、どこか苦しそうで。幸せなはずなのに、幸せそうに見えない。
色々話していくうちに、その方が気づいたんです。「彼のことは好きだけど、彼と一緒にいる自分は好きじゃない」って。
付き合っていると、相手に合わせすぎて、自分らしさを失ってしまうことってあるんですよね。相手を優先しすぎて、自分の気持ちを後回しにして。そうしているうちに、「これって本当に私?」って自分がわからなくなってしまう。
恋愛って、相手を愛することも大切だけど、自分を愛せる状態でいることも同じくらい大切なんだなって、この言葉から教えてもらった気がします。
「別れたいんじゃなくて、楽になりたいだけなんです」
これは、別れを迷っている方の言葉でした。
セッションでは別れの相談をしているのに、どこか煮え切らない感じで。「別れた方がいいと思うんです」って言いながら、本当に別れたそうには見えない。
で、私が「本当は、どうしたいんですか?」って聞いた時、その方が涙ぐみながら言ったんです。「別れたいんじゃなくて、楽になりたいだけなんです」って。
今の関係が苦しい。でも、それは相手が嫌いだからじゃない。関係を続けることが辛いだけ。だから、「別れる」という選択肢しか見えなくなっているけれど、**本当に欲しいのは「別れ」じゃなくて「今よりも楽な関係」**なんですよね。
この言葉を聞いた時、「ああ、この人はまだ答えを出さなくていいんだな」って思いました。別れか、続けるか、じゃなくて。まずは「どうしたら楽になれるか」を考える時期なのかもしれない。
「占いで背中を押してもらいたかったんじゃなくて、止めてほしかったのかも」
これは、セッションが終わった後、帰り際にぽつりと言われた言葉です。
その方は、ある決断をするために占いに来ていました。でも、カードを引いても、星を読んでも、結果が本人の望む方向と違っていて。
普通だったら、「占いは当たらない」って思うかもしれません。でも、その方は違いました。帰り際に、こう言ったんです。「もしかして、占いで背中を押してもらいたかったんじゃなくて、止めてほしかったのかもしれない」。
自分でも気づいていない、自分の本当の気持ち。表面的には「決断したい」と思っているけれど、心の奥底では「本当にこれでいいのかな」って迷っている。
占いって、結果を伝えることじゃなくて、その人が自分の本当の気持ちに気づくきっかけを作ることなのかもしれないなって、この時強く思いました。
「恋愛って、相手を変えるゲームじゃなくて、自分が変わる旅なんですね」
これは、長く付き合っているカップルの方の言葉です。
セッションでは、相手の気持ちや二人の未来について色々見ていきました。その中で、この方が何度も「相手にこうしてほしい」「相手がこう変わってくれたら」って言っていて。
でも、色々話しているうちに、その方が気づいたんです。「私、相手を変えようとしてたんですね」って。
で、最後に言ったのがこの言葉でした。「恋愛って、相手を変えるゲームじゃなくて、自分が変わる旅なんですね」。
相手を変えようとするほど、関係は上手くいかない。でも、自分の見方や考え方が変わると、同じ相手でも違って見えてくる。恋愛を通して、自分自身が成長していく。
これって、すごく本質的なことだなって思いました。
言葉が教えてくれること
こうやって振り返ってみると、占いって不思議なものだなって思います。カードや星が答えを教えてくれるわけじゃない。答えは、いつもその人の中にある。
私はただ、その答えに気づくお手伝いをしているだけ。で、その気づきが、ふとした言葉として出てくる瞬間に立ち会えること。それが、この仕事の一番好きなところかもしれません。
今日紹介した言葉たちは、全部違う人の、違う状況での言葉です。でも、どこか共通するものがある気がしませんか。
みんな、自分の気持ちと真剣に向き合っていて。答えを探していて。そして、自分なりの答えに辿り着こうとしている。
あなたにも、そんな言葉がありますか?
もしかしたら、あなたにも、ふとした瞬間に自分で言った言葉で、「あ、これが本当の気持ちなんだ」って気づいた経験があるかもしれません。
誰かと話している時、日記を書いている時、一人で考え事をしている時。ふと出てきた言葉が、実は自分が一番伝えたかったことだったり。
言葉には力があります。特に、自分の口から出た言葉には。だから、自分が何気なく言っている言葉に、もう少し耳を傾けてみると、何か見えてくるものがあるかもしれないですね。
私も、これからも色々な人の言葉に耳を傾けながら、一緒に答えを探していけたらいいなって思っています。