
毎年この時期になると
もう11月ですね。街を歩いていると、少しずつクリスマスの装飾が増えてきて、なんとなく空気が浮き足立ってくる感じがします。コンビニでもクリスマスケーキの予約が始まって、「ああ、今年ももうすぐ終わりだな」って実感する季節。
で、恋愛相談の方も、毎年この時期になると明らかに増えてくるんです。それも、ある特定のパターンの相談が。
最初は偶然かなって思っていたんですけど、もう何年も相談を受けているうちに、「ああ、やっぱり今年もこの時期だな」って感じるようになりました。クリスマスって、恋愛している人にとっては特別なイベントなんだなって、相談を通して毎年実感しています。
「一人で過ごすのが怖い」という相談
一番多いのが、これです。「クリスマスを一人で過ごすのが不安で仕方ありません」っていう相談。
相談文を読んでいると、本当に切実なんですよね。「友達はみんな恋人がいて」「SNSでカップルの投稿を見るのが辛くて」「自分だけ取り残されている気がして」。
特に印象的だったのは、ある方が送ってくれた相談でした。「別に普段は一人でも平気なんです。むしろ一人の時間が好きなくらいで。でも、なぜかクリスマスだけは、一人でいることがすごく惨めに感じてしまうんです」って。
これ、すごくわかるなって思いました。クリスマスって、なぜか「恋人と過ごすのが当たり前」っていう空気感がありますよね。商業施設もレストランも、カップル向けのプランばかり。街を歩けばカップルだらけ。
普段は全然気にならないのに、この時期だけ「恋人がいない自分」を意識させられてしまう。そういう環境そのものが、人を不安にさせているのかもしれません。
「気になる人と過ごしたい」という焦り
次に多いのが、「気になる人がいるんですけど、クリスマスまでに何とかしたい」っていう相談です。
これも、相談の文面から焦りがすごく伝わってくるんです。「今から告白したら間に合いますか?」「どうアプローチすればクリスマスまでに付き合えますか?」「クリスマスに誘うのはアリですか?」
気持ちはすごくわかります。好きな人と、特別な日を一緒に過ごせたら素敵ですよね。でも、読んでいて感じるのは、「クリスマスまでに」っていう期限が、本来の気持ちを焦らせているんじゃないかっていうこと。
普段だったらもっとゆっくり関係を深めていくはずなのに、「クリスマス」っていう一つの区切りがあることで、急いでしまう。本当は、もっと自然なタイミングで気持ちを伝えたいのに、カレンダーに追われているような感覚になってしまう。
ある相談者さんは、こう書いていました。「告白したいけど、もし断られたら、クリスマスを一人で過ごすことになる。それが怖くて、告白する勇気が出ません」。
これって、本末転倒というか。本来、クリスマスをどう過ごすかより、その人との関係をどう築いていくかの方が大切なはずなのに。でも、その優先順位が、この時期だけ逆転してしまうんですよね。
「付き合っていない人とのクリスマス」の悩み
これも毎年必ず増える相談です。「いい感じの人がいるんですけど、まだ正式には付き合っていなくて。クリスマスに会う約束をしたんですが、これってどういう意味なんでしょうか?」
あるいは、「クリスマスに誘われたんですけど、これって告白の前触れですか?」「クリスマスに会うってことは、相手も自分のことを好きってことですよね?」
この手の相談、本当に多いんです。そして、読んでいて感じるのは、みんな「クリスマス」という日に、何か特別な意味を持たせすぎているんじゃないかってこと。
普段のデートだったら、「会えて嬉しい」くらいの気持ちで楽しめるのに。クリスマスっていうだけで、「これは特別なデート」「何か意味があるはず」「もしかして告白されるかも」って、勝手に期待値を上げてしまう。
で、結果的に、当日すごく緊張してしまったり、相手の一挙一動に一喜一憂してしまったり。本来なら楽しいはずの時間が、プレッシャーになってしまう。
「クリスマスに会う=特別な関係」っていう方程式、いつの間にか私たちの中にできあがっているのかもしれないですね。
カップルの人からの相談も増える
意外かもしれませんが、すでに付き合っているカップルからの相談も、この時期は増えます。
「初めてのクリスマス、どう過ごせばいいですか?」「相手の期待に応えられるか不安です」「プレゼント、何をあげればいいかわかりません」。
読んでいて感じるのは、「クリスマスはこうあるべき」っていうプレッシャーを、みんなすごく感じているんだなってこと。
特に、付き合って初めてのクリスマスを迎えるカップルからの相談は切実です。「きっと相手は素敵なクリスマスを期待しているはず」「失敗できない」「この日の過ごし方で、自分の評価が決まる気がする」。
でも、よく考えてみてください。クリスマスって、本当にそこまで特別な日なんでしょうか。もちろん、一年に一度のイベントだし、特別感を演出するのは素敵だと思います。でも、一日の過ごし方で関係性が決まるなんてことは、ないんじゃないかなって。
「理想のクリスマス」という呪縛
相談を読んでいると、みんなの頭の中に「理想のクリスマス」っていうイメージがあるんだなって感じます。
映画みたいなロマンチックなデート。素敵なレストランでのディナー。心のこもったプレゼント交換。夜景の見える場所でのムード満点な時間。
でも、それって本当にみんなが望んでいることなんでしょうか。それとも、「クリスマスはこうあるべき」っていう、誰かが作ったイメージに縛られているだけなんでしょうか。
ある相談者さんが、こう書いていました。「正直、人混みは苦手だし、高級レストランも緊張するし、家でゆっくり過ごしたい。でも、それじゃクリスマスらしくないですよね」。
この相談を読んだとき、なんだか切なくなりました。自分の本当の気持ちより、「クリスマスらしさ」を優先しようとしているんですよね。
クリスマスの過ごし方に正解なんてないのに。家でまったり映画を観るのだって、立派なクリスマスデートなのに。なぜか、「これじゃダメ」って思ってしまう。
SNSが作り出すプレッシャー
最近の相談で特に増えているのが、SNS関連の悩みです。
「インスタで友達のクリスマスデートを見るのが辛い」「みんなキラキラした投稿をしていて、自分だけ取り残されている気がする」「彼氏(彼女)がSNSに載せたがるので、ちゃんとしたデートをしないといけない気がする」。
この時期、タイムラインはクリスマスデートの写真で溢れますよね。素敵なレストラン、きれいな夜景、幸せそうな二人。見ているだけで、「みんなこんなに充実しているんだ」って感じてしまう。
でも、SNSに載っているのって、ほんの一瞬の切り取りなんですよね。その日の、その一番いい瞬間だけ。その前後に何があったかなんて、わからない。
実際、ある相談者さんは「去年のクリスマス、彼氏とすごく素敵なデートをして、SNSにも載せて、いいねもたくさんもらいました。でも実は、その日二人はずっと喧嘩していて、写真を撮る瞬間だけ笑顔を作っていました」って教えてくれました。
見えているものが全てじゃない。でも、それを忘れてしまうくらい、SNSの影響力は大きいのかもしれません。
本当に大切なことって
こうやって毎年、クリスマスの時期になると増える相談を読んでいると、ふと思うことがあります。
みんな、「クリスマスをどう過ごすか」ばかり考えていて、「誰と過ごすか」「なぜその人と過ごしたいのか」っていう本質的なことを、忘れかけているんじゃないかなって。
クリスマスが特別な日だからその人と過ごしたいんじゃなくて、その人が特別だから一緒に過ごしたい。本来はそういう順番のはずなのに、いつの間にか逆転してしまっている。
それに、一人で過ごすクリスマスが寂しいのは、一人だからじゃなくて、「一人は寂しい」って思い込んでいるからなのかもしれません。
友達と過ごすクリスマスだって楽しいし、家族と過ごすのも温かいし、一人でゆっくり好きなことをするのも悪くない。でも、「恋人と過ごさないと負け」みたいな空気感があるから、苦しくなってしまう。
この時期だからこそ、立ち止まって考えてみる
クリスマスまで、あと1ヶ月半くらいでしょうか。これから相談はもっと増えると思います。毎年のことなので、もう慣れました。
でも、一つ一つの相談を読むたびに、「ああ、みんな本当に真剣に悩んでいるんだな」って感じます。それは、クリスマスという日を大切に思っているからこそ。
だからこそ、もしあなたが今、クリスマスのことで悩んでいるなら、一度立ち止まって考えてみてほしいんです。
「自分は本当は、どうしたいんだろう?」「何が不安なんだろう?」「誰かの期待や、世間の常識に縛られていないかな?」って。
答えは、きっとあなたの中にあります。ただ、周りの声が大きすぎて、自分の声が聞こえなくなっているだけかもしれません。
私が毎年思うこと
正直に言うと、私もこの時期は色々考えます。街のクリスマスムードに流されそうになったり、「みんなちゃんと過ごしているのかな」って気になったり。
でも、最近思うのは、クリスマスって結局、ただの12月25日なんだなってこと。特別な意味を持たせるのも、普通の日として過ごすのも、全部自分次第。
大切な人と過ごせたら素敵だし、一人でゆっくりするのも悪くない。友達とワイワイ楽しむのもいいし、仕事で忙しくて気づいたら終わっていたっていうのも、それはそれで。
どんな過ごし方をしても、それがあなたにとっての「正解」なんだと思います。
もしよかったら、あなたはこのクリスマス、どう過ごしたいですか? 「こうすべき」じゃなくて、「こうしたい」っていう気持ち。それを大切にしてみてもいいかもしれないですね。
何か悩んでいることがあったら、いつでも相談してくださいね。一緒に考えましょう。